残骸

7月5日(日)

近所でサイと簡単なアクアテラリウムを作るワークショップに参加した。当然のように私も参加費を払って申し込んだら子どもがするのをただ側で見守っているだけで参加している親は私の他に誰もいなかった。砂を入れるのがなかなか難しかった。

完成した二つのテラリウムは観光地でテンションが上がってノリで作った、みたいな安っぽいクオリティでそれが気に入った。玄関に並べていたらサイに自分の部屋に飾りたいから辞めてよと言われた。最終的にテレビ台に置かれた。

蝉の鳴き声を今年初めて聞いた。

 

7月6日(月)

生理二日目で朝から体調が悪かった。一刻も早く帰りたかった。雨がたくさん降っていた。

 

7月8日(水)

雨が降る中、蝉の死骸が道に落ちていた。7年間も土の中にいるのに出てきて梅雨なんて蝉も可哀想だと職場の人が言っていてたしかにやっと出て来れた地上がこんな天気なんてうんざりすると思った。どこかの子どもが並べたのか、公園の椅子に蝉の抜け殻が5個くらい並べられていて状態も良かったのでサイのお土産にひとつもらった。

保育園に迎えに行って、サイに良いものがあるよと言って抜け殻をあげたら「良いものってポケモンのおもちゃかと思ったよ」と腐しつつも喜んでいるようだった。抜け殻は洋服のようなもので中身はないと説明したが、蝉がどういう風な姿で土から出てくるのか覚えていないサイにはいまいち理解できないようだった。これは生きているのかと聞かれ生きていないと答えたら、じゃあ偽物なのかと問われた。生きてはいないが人工物ではなく自然のものだと教えるのがなかなか難しかった。フォームチェンジの残骸、と言えばわかりやすかったか。命の残骸。切れ端。